介護で起業をするにあたり、最初にネックになるのが初期投資にかけるコストです。特に介護事業おいては、設備や人員、備品に至るまで法令で厳しく定められているため、最初の段階でコストを切り詰めるのもなかなか大変。そこでおすすめなのが訪問介護事業です。
通常、デイサービスや特養老人ホームなどといった通所介護事業に参入しようとする場合、サービスを提供する場である施設から大きな投資をしなければなりません。この点、訪問介護事業は利用者の自宅を訪問するサービス形態なので、大型の施設や設備は必要ありません。唯一必要な施設といえば、ヘルパーステーションと呼ばれる事務所くらいです。事務所といっても自宅を転用することも可能なので、物件にかかるコストは通所介護に比べて断然低く抑えることが可能です。
次に人件費についてですが、訪問介護は稼働率を上げる必要があるため、ホームヘルパーを常時多めに雇用しなければならなりません。また介護業界全体の離職率の高さに伴い、頻繁に求人広告を出す必要もあります。このため必然的に人的コストは高くなり、訪問介護においては事業支出の90%を占めるとも言われています。これらから判断して、訪問介護事業は、設備投資にかかるイニシャルコストが少ないというメリットがある一方で、人件費にかけるランニングコストが大きくデメリットもあることが分かります。
このように訪問介護事業を起業する場合、最低限これらのメリットとデメリットは押さえておく必要があります。もっと言えば、このようなメリットとデメリットは全ての施設形態で存在すると言えるでしょう。これらを考慮するために、介護事業の起業について事前にしっかりリサーチすることが大切なのかもしれません。